敷地は、戦後に新興住宅地として開発された郊外の一区画。東南の角地で、東側には道路を挟んで街区公園が隣接している。
対角線に沿って敷地を二分した片方に建物を配置し、公園側のもう片方を庭にした。街区の隅角をオープンスペースにすることで庭は公園と連続し、それが街割りを斜行する見通しになっている。
庭に対する建物の内部は、街割りに因らない円弧状のレンガ壁によって分けられている。正面の窓から差し込む光によって外部との境界を見附つつ、身体の動きは壁の流れに促される。外に向かう意識と移動する身体の向きとが一致しないようにすることで、並列的な内部空間に広がりのある内外の関係をつくり出そうとした。
池村圭造
写真/撮影 中川敦玲
用途: 一戸建ての住宅
構造規模: 木造/地上2階
敷地面積: 198.72㎡
建築面積: 92.09㎡
延床面積: 127.92㎡
住所: 千葉県柏市
設計・監理: 池村圭造/UA
施工: 株式会社中村建築
竣工年: 2012年11月