土のルーバーと炭のスクリーン

Material Venture2002展, 新宿デザインセンターOZONE

「 自然のサイクルを内包した工業製品をつくる。」
高次団粒土とフェノール樹脂凝固技術が生んだ緑のスクリーン。

【土のルーバー】

【フェノール樹脂*】による凝固技術を、農業技術の世界で理想とされている、植物の生育に適した【高次団粒土*】に応用し、工業製品化された緑化部材をつくる。【間伐材チップ*】を使用するなど、“自然から発生した材料を人工の自然で再生する”という試みである。  通常の景観樹木の場合は、異なった環境で育った緑を都会に持ち込み枯れたら取り替えるという、直接子孫を周辺環境に残すことのない不連続で人工的なサイクルで更新される。ここで意図するのは、小さな既製品の中ではあっても、自己再生産可能な連続したサイクルをつくることである。極小の既製品の中に、無限に広がる連続的な自然の営みを内包させ、大量生産して人工的な都市環境の中に投げ込もうと思う。原材料の高次団粒土は、一個の土の粒が複数集まってある大きさの固まりを作り、それがまた複数集まって更に大きな固まりを形成するという、あたかも小惑星/銀河系/銀河大星団の関係性にもつながる構造である。その大小の間隙を伸びる根や土壌微生物に水分や養分が同時に供給されるのである。  この小宇宙としての高次団粒土と植物群落の移り変わり(遷移)を誘導する先駆植物等の【種子*】や間伐材チップを、難燃性、耐候性に優れたフェノール樹脂で固める。自ら生成変転する自然サイクルを自然の健康状態を極力維持しながら人工的に工業製品化しようというのが、今回の目的である。保水性が高く、適当な間隔で水分供給出来れば、微生物や小動物との交換を通して植物自らの遷移が可能であり、都市や建築などの景観材、建材としても使用出来る工業製品である。

【炭のスクリーン】

【コーヒー炭*】は、有害物質を通過させるときに吸着、イオン分解し無害化させる特性を有する。フェノール樹脂による凝固技術のノウハウで自由加工し、畳、ボード類、家具等に応用し生活環境の改善を図る。

押尾章治

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